ホーム > ブログ > 越境・境界石について

ブログ

越境・境界石について

土地や建物を取引するとき、必ず隣地との境界石がどこにあるのかを確認します。
測量図面や登記簿と一致するか・・これは最低限の不動産屋の仕事です。

近年に区画整理された土地については、図面通りに境界石が入っているところが多く、そんなに問題はないのですが、
古い市街地などは、境界石が入っていない(見当たらない)場合が多くみられます。
また、隣地の塀の下にあったりして、越境が判明したりします。
そうなると、測量会社が主になって隣地の所有者に立ち会って確認をしてもらいます。
そして「その越境物を撤去してください」と頼むのは、確実に売主であり、それを代理で言うのは我々不動産業者です。
ほとんど多くの方が納得して、越境物を撤去してくれます。

でも、たま~にですが難色を示す人がいます。
「何十年もこうだった」「今頃言われても・・」
そうおっしゃる隣地の人に対し、私は一度引きかえします。
何十年も住んでいて、どこの何者だかわからない人(私)にそう言われて納得いかない気持ちが分かるのです。

そして数日置いて、また訪ねます。
隣地の人は少し冷静になっています。そして境界をじっくり見てくれます。
「これ(塀など)移動するとお金かかるよね」・・・と呟きます。
そうなんです。納得はしたけど、お金のかかる話なのです。
そういう場合は以下の方法しかないのです。
①現況の境界石とおりにするための、その土地の部分を隣地の人に買ってもらう。
(やっぱりお金がかかる)
②塀を壊してもらう(やっぱりお金がかかる)

一番関係のないのは買主さんなので、越境部分の面積を減らして売買するか、とにかく塀を撤去してもらうしかないのです。

最近、2件ほど同じような取引がありました。
それは塀ではなく、ブロック類だったので多額の金額はかかりませんでした。
でも数万円から10万円はかかっています。

新しくお隣に越してくる人と近所仲よくしたい・・という思いの方たちばかりでした。
買主側の新しく家を建てる人も、「そんなに細かいことは言わないが、近隣の人に悪い印象を持たれたくない」と思っています。

伝えることは伝える・・この鉄則の元、どのように穏やかに話を纏めるか。。
まさに人間力の勝負となるのが、不動産屋としての仕事なのです。


2016年5月 5日